はじめにオニババ化とは何か 第 1 章身体の知恵はどこへいってしまったのか 性と生殖への軽視 自分のからだに対する漠然とした不安 子どもを産むのは恐怖である ? 女としての生活を楽しめなかった戦後世代 憧れの「病院出産」 娘の生き方に嫉妬する世代 からだの持つ「子育ての力」 心に届かない近代医療の「知識」 病院がないと幸せになれないのか 産む人と産まない人とのギャップが広がっただけ ポリネシアの驚くべき避妊法 インディオは更年期を楽しみにしている
一年間かけて伝えられる母の知恵 月経血を止められた日本女性 「毎月生まれ変わる」という発想 お産の達人だった日本人 上の世代の話があると不安が消える 自分のからだの声に耳をすます 第 2 章月経を「やり過ごして」よいのか 骨盤底筋がたるんできた くるくると丸めた綿花を詰めていた 八十代ではナプキンが主流に 京都の芸妓の世界ーー生ずきの紙 詰めた部分に意識を集める 「トイレで出さないなら、どこで出すの ? 」 現代にもいた「できる」女性 言語化する必要のなかった身体知
なせ九十代から次の世代に伝わらなかったのか 女性性の中心軸を作る 第 3 章出産によって取り戻す身体性 「痛くてつらい出産」はどこまで本当か 中高生に植え付けられた「股を切られる恐怖」 医療を「水のように」享受する危険性 日本に助産婦が残った「幸運」 「ヒッヒッフーはも一つ古い お産と女性の変化 「原身体経験 , の砦としてのお産 お産は「受けとめられ体験」を作りなおす場 継続ケアがあれば「救急搬送、は少なくなりうる 「あと回し」にされた母性保健 とにかく「施設化」へ向かった 施設化が生んだ恐怖のなかの出産
プラジルに助産所をーーのプロジェクトの成果 お産に「きまり」は必要ない お産が怖い産科医 出産経験を定義する 「つらい出産」でも大丈夫 第 4 章女性はなせオニヾ ノバになるのか 「負け大」より心配な「その他大勢」の女性たち 「女として生きろ」というオプションがない 性体験はからだをゆるめていく経験 宙ぶらりんのままのからだの欲求の行方 少子化対策の的はずれな感じ 、ハバになるのか なぜオニ、 からだは共に生きる誰かを探している 「子宮を空き家にしてはいけない」 若者は背中を押されるのを待っている ? い 7
性体験はもっと深いもの アメリカ流の薄っぺらい性行動 卵子にも個性がある 子宮口にも心がある 「お産はセックスから始まる」 セクシュアリティの流れが悪いと病気になる 行き場を失ったエネルギーをどうするか 「盛り」としての持ち時間は意外に少ない 娘の生殖年齢をスポイルする親たち 第 5 章世代をつなぐ楽しみを生きる 早婚のすすめ 仕事はゼロにしなければいし からだを張って母親を守る大人がほしい 命の勢いがあるうちに出産する セックスするなという性教育 185
授かった命は愛するという発想 日本にもいた「早婚の民」 出産を選びとる若い女性の増加 家族の楽しみ 子育てにエロスが足りない 大人になる楽しみを教えよう 子どもは矢にして放つものである 母親の軸がないとしつけができない 子どもはすべてわかっている存在 プラジルでは子どもをせかさない 抱きとめられて育ったからだ からだの欲求と援助交際 おばあちゃんも受けとめられていない 昔話が伝えていたからだの知恵 いつまでも自分のことばかりに関心がある世代 子どもは親を許すために生まれてくる 女性はからだに向き合うしかない 「めかけ」のすすめ ?
おわりに 参考文献 自分のからだをよい状態にする いつもよい経験に戻っていける 女性性が男性を導く 249 252
三砂ちづる ( みさごちづる ) 1958 年山口県生まれ。 ' 81 年京都薬科大学卒業。 ' 99 年、 ロンドン大学 PhD ( 疫学 ) 。ロンドン大学衛生熱帯医 学院研究員および JICA ( 国際協力事業団、現・国際 協力機構 ) 疫学専門家として約 15 年、海外で疫学研 究、国際協力活動に携わる。 2001 年 1 月より国立公衆 衛生院 ( 現・国立保健医療科学院 ) 疫学部に勤務、 2004 年 3 月まで応用疫学室長を務める。 2004 年 4 月よ り、津田塾大学国際関係学科教授。専門はリプロダク テイプへルス ( 女性の保健 ) を中心とする疫学。著書 に『昔の女性はできていた』 ( 宝島社 ) 、訳書に『パワ ・オプ・タッチ』 ( メディカ出版 ) など。 オニババ化する女たち女性の身体性を取り戻す しよせいしんたしせい か おんな 発行者 装幀 印刷所 製本所 発行所 電話 メール 2004 年 9 月 20 日初版 1 刷発行 2 5 年 3 月 25 日 12 刷発行 三砂ちづる ーー加藤寛一 アラン・チャン ・一 - 堀内印刷 関川製本 ー株式会社光文社 東京都文京区音羽 1 振替 00160 ー 3 -115347 編集部 03 ( 5395 ) 8289 販売部 03 ( 5395 ) 8114 業務部 03 ( 5395 ) 8125 sinsyo@kobunsha.com 囮本書の全部または一部を無断で複写複製 ( コピー ) することは、著作 権法上での例外を除き、禁しられています。本書からの複写を希望さ れる場合は、日本複写権センター ( 03-3401-2382 ) にご連絡ください。 落丁本・乱丁本は業務部へご連絡くだされば、お取替えいたします。 OChizuru Misago 2 圓 4 Printed ⅲ Japan ISBN 4-334-03266-4